MBAシリーズ10: MBA卒業後米国で就職(海外滞在)

この記事の筆者
・ 早稲田大学政治経済学部経済学科卒
・ 米国一流校にてMBA取得(専攻 Finance, トップ10%)

MBAシリーズも本稿で最後となります。

MBAシリーズ9では、「MBA卒業後の職業2(仕事内容)」についてお伝えしました。

さてタイトルにある通り、もしMBAを取得したらそのままアメリカで就職して可能なら永住は出来るか? という点について考えてみたいと思います。

MBA留学を考える方はアメリカに憧れがあり・・・いわゆるアメリカンドリームでこのようなことをチラと考える方は多いはずです。

私の場合企業派遣でしたが、アメリカに初めて行く前はハリウッド映画等の影響で日本人の明治時代以来の悪い癖である欧米への憧れが胸にあり、裏切ってアメリカで就職して居付いてやってもいいな、という陰謀が正直胸にありました。その場合、奨学金の一部を返せばいいだけなので・・・(卒業後、5年以内に辞めたら一部はタダで与えるが、残りは一括返済か無利子で分割返済はせよ、という条件のいいものでした)。

結論を先に申し上げますと、「ほとんど無理」となります。私も、行って最初のオリエンテーションの時点でまず無理、トホホ・・・と思いました。理由は後述しますが、ゆうにご推測はつくと思います。

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ビザ

まず、米国に滞在する要件、「ビザ」の法的な面について簡単にご説明します。

アメリカは欧州で迫害された人が逃げてきた自由・移民の国でありながら、世界で一番豊かになった今、既得権益の保護のために移民にはかなり厳しくなってきています。現トランプ政権のモンロー主義・保護主義を見てもこの矛盾が明らかに見て取れます。受け入れたいが、まず既存の国民の仕事の確保が大切だ、と・・・、

一方で、トランプ政権は非熟練労働者の「不良」(と彼が称する)労働者の流入には壁を作ってまでも食い止めたいと思っていますが、国益のために外国人の知的・高級労働者は案外ウェルカムです。特に、アメリカでMBAに代表される高等学位を取得した方は是非居てもらって国を助けて下さい、というスタンスです。

さて形式的にはMBAなりに留学する場合、受け入れをした学校の承認を経て「F1ビザ」なるものが支給され、留学期間 + バッファーの分居ていいとされますが、基本卒業したらすぐ出て行かなくてはなりません。

もしMBA取得後に現地で就職出来た場合は、雇用者の承認を経て「H1ビザ」というものが支給され、3年単位で生涯2回まで更新出来、計6年居付いて働くことが出来ます。その間、いわゆるグリーンカード(永住権)・・・米国民としてふさわしい・・・というものをやはり雇用者のバックを得て取得しない限り、切れると基本永久追放になります。厳しいですね。

ポイントとしては、自分の申請で主張してもダメで、学校や企業(雇用主)なり、アメリカに根付いている主体、第三者による正式な保証が無いとダメ、という点です。制度的に国益を守るためにうまく出来ています。

自分個人の意見としては、建国の理念を考えるとこういう既得権益保護はどうやねん、機会平等の国ではなかったんか、と思いますが現在の趨勢がそうなっているのでどうしようもありません。


何故私がくじけたか

私が行ったMBAプログラムは海外留学生比率が比較的高く、総計300人弱のうち、アメリカ人以外が3~4割方を占めていました。多くは、日本・韓国・中国・台湾・タイ・その他(多い順に)でした。そのうちのかなりの割合の人が当初卒業後はアメリカで働いて住み着いたるぞ! と意気込んでいましたが、私同様最初のセメスターですぐ意気消沈し、大抵は卒業後帰国しておとなしく現地で就職していました。

そのようなアジア人のうちアメリカで職 & H1ビザを取得出来たのはほんの「数人」(二、三人)だったのが実情です。私はトップ10「%」で卒業し表彰されましたが、ディーンズ・リスト(学長リスト)と呼ばれ、ほぼオールAでトップ10「人」に入った中国人のみ、アメリカで就職口を見つけ、残りました。色々な意味でハングリー精神の違いでしょう(何らかの理由で共産国家の自国に戻りたくない)。

この理由の主なものとしては、アメリカが仕事を外人に取られたくないということであまり受け入れないということもありますが、私の経験だと、「MBAでかろうじて学位を取るのにも英語で四苦八苦するのに(ノン・バイリンガル)、まして仕事など英語では出来ない」ということに尽きます。仕事上のコミュニケーションは母国語でも大変ですので、ましてバイリンガルではない限り英語では到底無理です。ある種そういう意味ではお遊びの学位をお土産に取って国に帰るのが精いっぱいです・・・とにかく真面目にやれば何とか取得出来るため。

まとめ

ちなみに私は小5の公文(苦悶)の頃から毎日必死で英語を勉強して早稲田にも英語力のお陰で入り、ABCの手習いから15年後にMBAでもまずまずの学校で書きの力である程度以上の成績で卒業しましたが、そんな人間でもオーラル面でアメリカで仕事なんか到底無理、と思いますので・・・そういう変な夢は捨てて下さい。

MBAを取って、グローバルかと思いきや大抵日本にまた帰って来てしまいます。あるいは余儀なくされます。こういう悲しい現実をわきまえた上で、MBA留学もご検討下さい

筆者のプロフィール
ナッシュ(仮名) 40歳台前半 / 男性

[学歴]

・早稲田大学政治経済学部経済学科卒
・イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校 MBA(全米トップ50傑以内)
専攻: ファイナンス, トップ10%で卒業

[職歴]

・経理・IR畑を経て、投資銀行業務(M&Aアドバイザー)や財務系SEを経験
EQが低く人間関係が下手であまり大成しませんでしたが、数字いじりだけは得意でした。
・40歳にてフリーランスの産業翻訳家として独立
言語は英語・タイ語、主要対象分野は財務・法務系(アニュアルレポート・契約書等)
翻訳家になりたかった、というより通勤電車がイヤで無理に脱サラした感があります。

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