MBA解説シリーズ1: MBAとは?(概論)

MBAとは一体何者?

この記事の筆者
・ 早稲田大学政治経済学部経済学科卒
・ 米国一流校にてMBA取得(専攻 Finance, トップ10%)

転職に有利な資格、と言われているものはピンからキリまでゴマンとありますが、大御所的なものとして「MBA」というものをよく耳にします。さて、これは一体何者でしょうか?

MBAとは?

MBAは“Master of Business Administration”の略で、「経営管理学修士」などと訳されおり、厳密には資格ではなく「学位」です。履歴書上も学歴の欄に記載します。

経営大学院で取得するビジネスの修士号で、実学的な内容でプロの経営者やコンサルタントを養成する虎の穴的なプログラムを指します。

米国発で、有名どころでは”HBS(Harvard Business School)”があります。一方、最近はアジアの学校でも提供しており、本邦では早慶・一橋等にMBAプログラムがあります。しかしながら、海外経験・英語力という点でなお英米のMBAの方が総体に価値があるようです。

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MBAの内容

“Core”(基礎科目)

まず、“Core”(基礎科目)と言われ1年目でビジネス全体を広く学びます。典型的な科目の例としては:

  • 経営戦略
  • マーケティング
  • 会計学(財務会計・管理会計)
  • ファイナンス(企業ファイナンス・投資)
  • 経済学(マクロ・ミクロ)
  • 統計学
  • オペレーション
  • 会社法
  • 人事・リーダーシップ
  • コミュニケーション

といったものがあり、定性系から定量系まで経営者・コンサルタントとして最低抑えておくべきことを叩きこまれます。各科目の内容についてはまた別稿で触れたいと思っております。

”Elective”(専攻科目)

この上で、”Elective”(専攻科目)と言われ2年目で範囲を絞ります。典型的な専攻としては大きく分類して、

  1. 戦略
  2. ファイナンス
  3. IT

の3つがありますが、取る科目の組み合わせによりかなりカスタマイズ可能です。

卒業後の典型的なプロフェッショナル系のキャリアとしては、戦略・ITを専攻した場合は経営コンサルタント(マッキンゼー・ボストンコンサルティング等)、ファイナンスを専攻した場合は投資銀行マン(ゴールドマンサックス・メリルリンチ等)となっており、それらの登竜門とも見なされています。もちろん、卒業後一般の事業法人で経営企画や財務畑でキャリアを追求する方も多くあります。

MBAのメリット・デメリット

さて、MBAの後コンサルタント、インベストメントバンカーと聞くとカッコいいですが、MBAにもメリット・デメリットがあり、特に経済面でかなりのリスクを伴います。MBA留学を検討される方のために、以下イントロとして主なメリットとデメリットを列挙させて頂きます:

メリット

・詰め込み型で、幅広い知識・スキルが身に付く。

・英語力が格段に上がる(特にライティング能力)。

・履歴書効果はなお高い(ある程度以上のランキングの学校なら)。

・在学中にグローバルなネットワークが出来る。

この中で、転職という点で一番の目的はやはり正直3つ目の履歴書効果・「ハク」でしょう。

別の言い方をするとアカデミックなビジネススキルや英語力は独学でも身に付けることは可能で、MBAに「ユニーク」ではないためです。

また、履歴書効果という点ではどこの学校のMBAでもいいということはなく、UsnewsやBusinessweekといったジャーナリズムがMBAランキング(全米 / グローバル)というものを出しており、せめて100位以内 =載っている でないと、あるいは聞いたことのない学校だと意味がありません。

デメリット

・学費・生活費が異常に高い。

・入学・卒業はそう簡単ではない。きつく、成績が悪いとキックアウトの可能性もある。

・フルタイムだと2年間もの時間を要する = その間、給与・職務経験の機会費用もある。

・座学でビジネスが学べるのか? という疑義が出て来ており、お値段が高い割に一時期もてはやされたほどのタイトル・バリューは無い・失われてきている。日本でもMBAホルダーは供給過剰気味である。

特に学費ですが、文系の割にMBAのタイトルに「プレミアム」が付いているため非常に高く、2年間で私学だと1,000万円を超えるのが普通です。
最も高価なHBSの学費を調べてみましたが、2年間で2,000万円に近いという恐るべきものです。

企業からの派遣の場合はともかく、仕事を一旦辞めて私費で行く場合は現地での生活費を含め膨大な費用が掛かるため、慎重に検討する必要があります。

また、大抵のプログラムは「GPA」という成績の加重平均をある一定以上(B平均)維持出来ないと「放校」にするという規定を設けているところが多く・・・しかも競争させるために相対評価を導入しています・・・、厳しいHBSでは全生徒の5%以上がこのようなキックアウトの羽目になると聞きます。

では、仮にHBSへ私費で行って1年で放校になった場合を考えてみましょう。学費を1,000万円近く払い、1年間無駄にして放校になり、学位も貰えず失職者として帰国することになります。

再就職活動をしても「一体何やってたんだ?」ということになり逆に不利になることは目に見えています。


最後に

このように履歴書上聞こえも良く、色々なスキルを学べて大きなキャリアップのきっかけになるかも知れないMBAプログラムですが、デメリットの点で挙げたように多大なリスクも伴います。

このため、これから検討される方は安易に決断せずまず色々と情報を集めてじっくり検討頂けるようお願い致します。

本稿はMBAの概論ですので、各論・詳細については他の稿でご解説して行きたいと思っております!

筆者のプロフィール
ナッシュ(仮名) 40歳台前半 / 男性

[学歴] ・早稲田大学政治経済学部経済学科卒
・イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校 MBA(全米トップ50傑以内)
専攻: ファイナンス, トップ10%で卒業

[職歴] ・経理・IR畑を経て、投資銀行業務(M&Aアドバイザー)や財務系SEを経験
 EQが低く人間関係が下手であまり大成しませんでしたが、数字いじりだけは得意でした。
・40歳にてフリーランスの産業翻訳家として独立
言語は英語・タイ語、主要対象分野は財務・法務系(アニュアルレポート・契約書等)
 翻訳家になりたかった、というより通勤電車がイヤで無理に脱サラした感があります。
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